◆ 甲状腺ホルモンと受容体 ◆
★今週の分子/連載106(2006/04/26〜):チロキシンを含むPDBデータ例(1Y0Xより)
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チョルノービリ(チェルノブイリ)関連サイト例:チョルノービリ(チェルノブイリ)子ども基金
※参考:筆者ブログ記事(チョルノービリ(チェルノブイリ)原発の「はてなマップ」掲載)
2006/04/26,世界規模で放射能汚染を引き起こしたチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故から20年が経ちました。甲状腺がんを防ぐために,不十分な医療環境の中で多くのこども達に対して甲状腺摘出手術がなされ,のどに傷が残ってしまったことは映像でもよく知られています。
原発事故が起こった際に,ヨウ素剤(安定ヨウ素剤,ヨウ化カリウム)が配布されますが(右写真はヨウ素を含む市販うがい薬ですが,“ヨウ素剤”としての利用はできませんのでご注意ください),これは131I(ヨウ素131)などの放射性ヨウ素が,ヨウ素を含む甲状腺ホルモン(恒温動物の代謝を維持するほか,哺乳類では成長・成熟にも必要)を産生する甲状腺に取り込まれるのを防ぐために,事前に非放射性のヨウ素を摂取してしまうためなのです。
甲状腺ホルモンには,1分子中にヨウ素を4つ含むチロキシン(T4)と3つ含む3,5,3'-トリヨードチロニン(T3)があり,後者の方が生物活性が高いとされます。
甲状腺ホルモンを含めた生体内でのヨウ素の働きについては,下記文献のpp.116-125で詳述されています。
【参考】ヨウ素剤関連情報 ※状況や年齢等で異なりますので,可能な限り専門家の情報,公的機関の最新情報を確認してください。
甲状腺ホルモンとその受容体のPDBデータ例
チロキシン(サイロキシン,甲状腺ホルモン,T4)と受容体の構造例1y0x → PDBデータ
●I ●As
3,5,3'-トリヨードチロニン(トリヨードサイロニン,甲状腺ホルモン,T3)と受容体の構造例1xzx → PDBデータ
●I ●As
●アミノ色表示の凡例
ASP GLU CYS MET LYS ARG SER THR PHE TYR ASN GLN GLY LEU VAL ILE ALA TRP HIS PRO
●酸性・中性〈芳香族〉・塩基性アミノ酸区別表示の凡例
ASP GLU GLY ALA VAL LEU ILE CYS SER THR ASN GLN PRO MET PHE TYR TRP LYS ARG HIS
●極性〈酸性・塩基性〉・非極性(疎水性)アミノ酸区別
SER THR TYR CYS ASN GLN ASP GLU LYS ARG HIS GLY ALA VAL LEU ILE PHE PRO MET TRP
●疎水性インデックス順
ARG LYS ASN ASP GLN GLU HIS PRO TYR TRP SER THR GLY ALA MET CYS PHE LEU VAL ILE
●有機概念図I/O値順(特性基 R)
ASN SER ASP GLN GLU THR ARG HIS GLY LYS TYR TRP CYS MET PRO PHE ALA VAL LEU ILE
●等電点順
ASP GLU CYS ASN PHE GLN TYR SER MET TRP VAL GLY LEU ALA ILE THR PRO HIS LYS ARG
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